「即日配達」の明日は暗い?進む宅配ドライバー高齢化

貨物輸送の約9割をトラックが占め「トラックがなければ日本は回らない」とさえいわれています。
東京オリンピックをひかえ、高まる貨物輸送需要。

仕事は増えているはずなのにトラック運転手は若手の流入が少なく、高齢化が深刻な問題になっています。その現状に迫ってみましょう。

高齢化が進む運送業界

日本は世界トップクラスの超高齢化社会。1963年には100人程度だった100歳以上人口も現在は6万人以上です。
現役世代である生産年齢人口の高齢化も進んでいます。

普通トラックでは、93年に37.8%であった20代は現在10%程度。
大型トラックはさらに深刻です。
93年には15.1%だった20代は現在4%にも満たないまで減少しています。

トラックドライバーは40歳以上の割合が普通車で5割強、大型車と牽引車で7割以上と、高齢化が特に進む職種です。
若手の不足、高齢化の影響から、現在トラック運転手は約14万人も不足しているといわれています。

若手ドライバーが集まらない原因は?法

若手ドライバーが集まらない原因は

ドライバーの高齢化が深刻なことは分かりましたが、その原因はどこにあるのでしょうか。
大きく3つが考えられます。

■免許制度の改正
2007年に「中型自動車免許制度」が新設されました。
それまで可能だった車両総重量5トン以上の車両は普通免許では運転不可能になったのです。

普通免許は18歳以上で所得可能ですが、中型免許は運転経験2年以上、つまり20歳以上でなければ取得できません。
以前のように高卒者をすぐ採用するということも不可能になりました。
それまで年間11~13万人が合格していた大型免許も年間4~5万人に落ち込むなど、その取得が最初のハードルになっているようです。

■給料や待遇
月平均労働時間は建設業と比べても30時間以上長いです。
平均月収も全産業平均より3万円以上安くなっています。
長時間の運転をするだけでなく、荷物の積み下ろしもしなければいけないため、その負担はかなりのものです。
こうした条件から、募集をかけても人が集まらないという状況が発生しています。

■原油価格や車体価格の高騰
発展途上国を始めとする地域のエネルギー需要、相変わらず不安定な中東情勢の影響から原油価格は上昇傾向を見せています。
また、原油と同じく金属資源価格も上昇を続け、トラックの価格も年々高額に。

こうしたコストを削減するため、そのしわ寄せが給料にあらわれています。

さまざまな対策を打ち出す会社も

若手の流入が少ないといわれる運送業界。
そこで運送会社もさまざまな策を打ち出し、ドライバーの定着をはかっています。

■免許費用の負担
大型免許の取得費用を会社が持つことで、新規参入のハードルを下げます。
また、大型免許以外にフォークリフトなどの免許を会社負担で取得できるところもあるようです。

■託児所の設置
「イクメン」が取り挙げられるように、父親の育児参加も増えてきました。
しかし、子育ては母親に任せっきりというケースはいまだに多いです。
託児所があれば、共働き、シングルマザー(ファーザー)といった人も働きやすくなります。

■フレキシブルな勤務時間
「別の会社に勤務しているため土日だけ」「月に何度か小遣い稼ぎに」といったフレキシブルな勤務を認める会社も。
業界全体の労働負担を分散するとともに、より多くの人が働く機会を得られます。

インターネット通販の普及、高齢者向けの食事宅配サービスなど、貨物輸送の需要は今後も堅実視されています。
しかし、輸送業界はドライバーの高齢化という問題もかかえています。

先述のように、働きやすい職場づくりを推進している会社も増えているため、自分にあった会社を選ぶことがポイントになるでしょう。

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