宅配と物流。ひも解く宅配便の歴史。

「宅配便」という言葉が生まれたのは「徹子の部屋」の放送が開始された1976年である。
こうしてみると、歴史があるようでいて、実は新しいワードだという気がしないでもないです。

宅配の歴史を語るべく、古くは江戸時代の飛脚まで遡ってしまうことも、決してやぶさかではありません。しかし、とりあえず今回は、20世紀からフォーカスしたいと思います。

20世紀初め

個人が荷物を発送するには、郵便小包(ゆうパック)か、鉄道小荷物(チッキ)のみでした。ちなみに後者は、駅で受け取る必要があったため、とてもじゃないですが、利便性が高いとは言えません。その他の手段は通常の通運のみでした。
1919年
全国のトラック台数が204台に
1927年
鉄道省と運送業者が始めた集荷・配達を行う特別小口扱(宅扱)が日本最古の宅配便にあたるとされていますが、この時まだ「宅配」という言葉は生まれていません。
トラック

宅配便の登場

1976年1月20日
大和運輸(現在のヤマトホールディングス・ヤマト運輸)が「宅急便」のサービス名で行ったのが「宅配便」の始まりです。
初日は関東地方のみでスタート、取扱量は、なんとわずか11個。
※ちなみに「宅急便」はヤマト運輸の商標です。余談ですが、ジブリ映画の代表作「魔女の宅急便」では、当時のアニメ映画に対する認知も低かった所以もあり、商標登録で大いにもめているようです。ジブリ映画も、今でこそ地位も知名度も得ていますが、この前作「となりのトトロ」では、興業赤字だったことからも、その背景を窺い知ることが出来ます。結局この問題、大和運輸がスポンサーに入ることで解決を得ています。

1980年代は宅配の黎明期
11個から始まった宅配、物流のネットワークが爆発的に拡大されます。
コンビニを発送窓口にしたほか、対象地区の拡大や、高速道路網の拡充による配送時間の短縮化に連動して、急速に取扱量が増えました。
この過程で、1978年頃から日本通運など、大手輸送会社も同様のサービスを開始しています。

動物戦争の勃発
物流業界の覇権を握るべく、各地でPR合戦が勃発!黒猫 vs ペリカン vs カンガルー vs 小熊など、動物をシンボルマークにした企業のバトルロワイヤルが始まりました。これらの会社間の熾烈な争いは、人呼んで「動物戦争」と呼ばれています。

1986年11月
JRの前身である国鉄が提供した鉄道小荷物(チッキ)。
明治より長く、日本家庭の物流を支えてきましたが、この年はかなくも、その役目を終えることになってしまいます。

そして現在へ

1997年には、離島を含む、およそ日本全土をカバー(※運送会社による)。現在国内では、人が住んでいる限り、荷物の届かない場所はありません。

これからは収支のことは一切言わない。そのかわりサービスのことは厳しく追求する。

これはヤマト運輸歴代社長 小倉昌男の言です。

物流で国内を網羅することは、必ずしも利益を追求することと、イコールにはなりません。
これは物流に限った話ではないでしょう。しかし、今の物流業界があるのは、この考えの上に立脚しているのは、まぎれもない事実であります。

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