働き方改革と高齢者雇用、定年

働き方改革

「働き方改革」という言葉が、ニュースなどのメディアで叫ばれる昨今、周囲の人間の働き方は変わっただろうか。
―『エン転職』ユーザーアンケート調査 結果発表―によると、そもそも働き方改革に取り組んでいると回答した企業は全体の43%。中でも従業員数が1000名以上の大企業では、66%が取り組んでいると回答している。これに対し、100人未満の中小企業では27%に留まっており、規模の大きい企業ほど精力的に取り組んでいることが分かった。具体的な取り組みについては、残業など労働時間の見直し、有給休暇取得の促進などだが、制度の見直しなどの方法で比較的簡単に取り組むことができ、更に従業員のモチベーションアップにもつながることもあり、企業側としても積極的に導入しやすいということも分かった。

 


また、働き方改革に取り組んでいると回答したうち「あなたの働き方は変わりましたか?」という質問に対し「変わらない」と答えたのは全体の51%、「変わった」が全体の22%、「どちらとも言えない」が全体の27%という結果となり、回答について企業規模でのばらつきが、ほとんどないことが分かった。

 

働き方改革とは

そもそも「働き方改革」とは何なのか。首相官邸によるとこうだ。

働き方改革は、一億総活躍社会実現に向けた最大のチャレンジ。多様な働き方を可能とするとともに、中間層の厚みを増しつつ、格差の固定化を回避し、成長と分配の好循環を実現するため、働く人の立場・視点で取り組んでいきます。

具体的には、2018年6月29日に成立した働き方改革関連法による取り組みのことであり、2019年4月1日をもって施行されている。内容としては、既存の労働基準法・雇用対策法・パートタイム労働法などの、労働法8本を改正するための法律である。
近年のニュースでも取り沙汰された、過労死、非正規問題などの労働問題を是正することが目的であり、時間外労働の上限規制・勤務間インターバル・有給休暇取得の義務化など、労働時間を是正するものが一つの柱として掲げられている。もう一つの柱として、同一労働同一賃金、要は正規・非正規社員・パート社員など、待遇格差の是正を目的とするものだ。能力や仕事の質に差があれば賃金が違うのは当然だが、同じ質と量の仕事をした場合に不合理な格差があってはならないということ。以前からパートタイム・有期雇用労働法で個別的な規定はあったものの、今回の法改正で明確なルールが策定されたわけだ。

働き方改革と高齢者雇用

高齢者の働き方改革
政府の働き方改革関連法案の中では条文化されなかったものの、高齢者の就業促進は以前から提言されている。
人材不足が叫ばれるようになって久しい。そして最近では「人生100年時代」だ。働く意欲がある健康な高齢者は、貴重な労働力といえるだろう。
高年齢者雇用安定法第9条では、定年年齢を65歳未満としている事業主に対し、いくつかの条件を除いて65歳までの雇用を義務付けているが、更に70歳までの引き上げ、もしくは定年制度の廃止なども視野に入れて、今年夏までに結論をまとめ速やかに法改正するよう関係閣僚に指示があった。

 

70歳以上になっても働きたいか、もしくは働きたくないのか。グローバル人材の転職支援会社のロバート・ウォルターズ・ジャパン株式会社が実施した「人生100年時代の働き方に関するアンケート」によると、「何歳まで働こうと考えていますか?」という質問に対して、「65歳まで」「70歳まで」「71歳以上」が全体の85%を占めているという結果が出ている。但し、若い世代ほど「65歳まで働きたくない」と回答したことも分かった。

超高齢化社会が迎えるにあたって、高齢者の雇用についてはの議論は必要不可欠だ。
官邸の働き方改革の理念でも「一億総活躍社会実現に向けた最大のチャレンジ」という文言がある以上、高齢者が活躍できる場所を用意することは当然ともいえる。
事実、平成29年3月28日に公開した「働き方改革実行計画」では「高齢者の就業促進」が以下のように明記されている。

  • 65歳以降の継続雇用延長や65歳までの定年延長を行う企業への支援を充実し、将来的に継続雇用年齢等の引上げを進めていくための環境整備を行っていく。
  • 高齢者就労促進のもう一つの中核は、多様な技術・経験を有するシニア層が、一つの企業に留まらず、幅広く社会に貢献できる仕組み。年齢に関わりなくエイジレスに働けるよう、高齢期に限らず、希望する方のキャリアチェンジを促進。
働く意欲のある高齢者の就業促進は重要

年金支給が原則65歳からとなるにも関わらず、高齢者雇用は65歳までの年齢制限のある求人が多い。このままだと、働きたいと考える高齢者がいても、なかなか職場が見付からないケースが増えてくるのは避けられない。このような現状を変えるべく、70歳まで、もしくは70歳以上になっても働くことができる環境や法制度の完備が、今後は重要になってくるかもしれない。

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